コラム・豆知識
3Dモデルビューアとは?Webにおける立体的表現の可能性
3Dモデルビューアは、Web上で3Dオブジェクトをインタラクティブに表示・操作できる仕組みです。
主に製品紹介や建築、教育コンテンツなどで活用され、静的なimg
要素だけでは伝わりにくい情報をより直感的に伝えることが可能です。
ファイル形式の選定と最適化の重要性
3Dビューアでよく使用される形式には.glb
や.gltf
、.obj
などがあります。
ファイルサイズの最適化は読み込み速度に大きく影響するため、テクスチャの圧縮やポリゴン数の削減などパフォーマンス対策が不可欠です。
アクセシビリティの視点で考える3Dモデル
3Dモデルは視覚的に優れた表現手段ですが、非視覚ユーザーには情報が伝わりづらい場合があります。
そのため、3Dモデルを補足するalt
属性やキャプション的なテキスト情報を別途用意することが推奨されます。
Webアクセシビリティの観点からも意識した設計が求められます。
表示領域とレスポンシブ対応
3Dビューアを組み込む領域は、画面サイズに応じた調整が必要です。
<canvas>
要素やdiv
コンテナのスタイル設定を適切に行うことで、スマートフォンやタブレットでも違和感のない体験を提供できます。
活用事例と導入時のポイント
3Dモデルビューアは、製品の回転・ズーム・視点移動などの操作性をユーザーに提供できます。
導入時は、環境対応(WebGL対応ブラウザの確認)やローディング時の挙動、代替コンテンツの準備といった点も含めて設計・検証することが重要です。
ツールの仕組み解説
// ファイルのアップロードやドラッグ&ドロップに対応し、GLTF, OBJ, FBX形式の3Dモデルを読み込んで表示 fileInput.addEventListener('change', e => { if (e.target.files[0]) processFile(e.target.files[0]); }); uploadArea.addEventListener('drop', e => { e.preventDefault(); if (e.dataTransfer.files.length) processFile(e.dataTransfer.files[0]); });
ここでは、ユーザーがファイル選択やドラッグ&ドロップで3Dモデルを読み込めるようにしています。processFile
関数で拡張子を判別し、対応するローダーを使ってモデルを読み込みます。
// モデルをシーンの中心に配置するための処理 function centerModel(){ if(!model) return; const box = new THREE.Box3().setFromObject(model); const center = box.getCenter(new THREE.Vector3()); model.position.sub(center); }
モデルを画面中央に置くためにバウンディングボックスの中心を計算し、その分だけモデルの位置をずらしています。これでどんなサイズ・位置のモデルでも見やすくなります。
// 環境マップの強度を調整し、マテリアルに反映させる関数 function updateEnvIntensity(){ if(!envMap) return; scene.traverse(o=>{ if(o.isMesh){ const mats = Array.isArray(o.material) ? o.material : [o.material]; mats.forEach(m=>{ if(m && 'envMapIntensity' in m){ m.envMap = envMap; m.envMapIntensity = envMapIntensity; m.needsUpdate = true; } }); } }); renderer.toneMappingExposure = envMapIntensity; }
HDR環境マップの明るさをコントロールして、モデルの質感を調整しています。ユーザーがスライダーで明るさを変えた際に呼ばれ、リアルな反射や照明効果を実現します。
// カメラ位置の更新(距離を変更) function updateCameraDist(d){ const dir = camera.position.clone().normalize(); camera.position.copy(dir.multiplyScalar(d)); controls.update(); }
カメラの距離を変更しつつ、今の向きを保つための関数です。距離調整のUI操作に連動して呼ばれ、ユーザーがモデルを適切な大きさで見られるようにしています。